自転車と歩行者の事故:約3,000万円:平成19年7月10日大阪地裁判決
男子中学生(15歳)が、無灯火で幅2.5mの歩道上を車道寄りではなく車道から1.8mの建物側を走行中に交差点の信号機が青のうちに早く渡ろうと速度を上げ、男性会社員(62才)に正面衝突して転倒させ死亡させた事例。
男性会社員の過失は当然0です。
男子中学生の無灯火だったことの言い訳が「街灯等で現場はやや明るい状態だったから。」
しかし、男子中学生の視力は0.2程度(裸眼)。しかも、普段は眼鏡をかけていたのに事故当時はかけていませんでした。
自転車事故にまだまだ甘かった平成19年当時とはいえ、これだけのことをやらかして刑事事件にならなかったのですからびっくりです。
この事故では親権者の監督責任も問われましたが、男子中学生が「普段から危険な運転をしていた等の事故歴がなく」親の責任は認められませんでした。
無灯火に目が行きがちですが、通行区分もしっかり判断材料になっていますのでそれも重要であることが分かります。
この事例では被害者が保険に加入していたため、保険金3,000万円を支払った損保会社が男子中学生に求償して訴訟を提起したものです。
加害者は「被害者が自転車保険入っていてよかった。」などと安心していてはいけないということです。
過失割合によっては保険会社から求償されますから。