大和神流 忍体操術 零式
忍術・剣術の術理の活用

古流剣術・忍術における口伝「足は手に、手は刀に従う。」は下記などに根拠があります。

  1. 手関節~肩甲骨の上行性運動連鎖
  2. 肩甲骨~胸郭・脊柱への運動連鎖
  3. 肩甲骨と骨盤との連動
  4. 骨盤後傾による下行性運動連鎖
  5. スパイラルライン
  6. その他

これらにはチーターの立甲の“本質”と共通する神経活動等が見受けられ、手腕の優れた調整機構・運動連鎖による身体調整作用等を四肢・体幹の連動に活用することができます。

例えば横指横切。
手の〇〇筋部に沿って主に指二本の操作で【前腕アーチ】関与筋に均等なテンショが掛けられます。
アーチの有用性の説明は割愛しますが、これにより「遠位の余計な力みが一掃され近位に余計な力みが生じなくなる」という恩恵が受けられます。
また、このテンションが存することで手腕を使った際に前腕骨間膜の〇〇部からの反射による肩関節部の弛緩が生じるようになり、脇~股関節までの【締まり】の連鎖が生じます。

四肢・体幹の運動連鎖は着眼点さえ間違えなければ日常生活動作や道具(ラケット・バット等)を使うスポーツ、道着を掴む柔道等に簡単に活用できます。

「簡単に」というのは、10分程度の説明を聞いて特定動作を繰り返せばすぐに効果を実感できるということです。

もちろん個人差はありますが、それを知る時点までよりも円滑かつ楽に出力できることとなります。
動作に伴う肩の力みなど簡単に「生じ難くできる」方法など、知識さえあれば誰にでもできることを最初に知ることが重要です。

また、下記の事実を踏まえ、必要かつ最適な末端・遠位の筋・神経活動に着目し、しっかりと「構造に沿った方法」を考えることをお勧めします。

  1. 運動神経は複数の筋繊維に繋がり、筋肉はある程度まとまって収縮する。
  2. 運動神経と繋がる筋繊維の数は、脳・脊髄から近いほど多く、遠いほど少ない。

遠位で大きな力を出そうとしたり精妙に動かそうとすると、
近位ではより強い筋収縮が生じます。

逆に、遠位の筋腱が安定していれば、
近位に無駄な筋収縮や、無駄な神経活動による身体のバランス調整等が生じることはないので円滑な連動が可能になります。

手首のゼロポジションに合わせると遠心性収縮によって体幹の抗牽引力が活用できるようになります。
絶えず手腕から体幹への身体調整作用が働く状態を保持でき、自然呼吸を阻害する要素(特にC5~7に係る要素)が激減するため、動作中における呼吸も楽になり持久力の向上に繋がります。

手首のゼロポジションは【特定の緊張・弛緩状態】を作出するだけですが、注意すべきは、
ある人が力を抜いて「これが力んでいない状態だ。」などと思っている身体の緊張・弛緩状態は、
実はその人の日常生活・仕事等によって形成された緊張・弛緩を呈する【その人特有の緊張・弛緩状態】であったりするので注意が必要です。

身体のデフォルトの緊張・弛緩状態が異なるのに、
「皆と同じトレーニングをすれば同様の結果を得られる」
などと思うのは明らかな誤りです。

思い込みや勘違いで身体の故障を招くことのないよう注意しておきましょう。

横指横切や肘切断、手首のゼロポジションなどはいずれも肘以遠の強化・安定化が重要な要素になります。

抜刀+斬る = 抜刀術等では肩甲胸郭関節の安定化を図り、ローテーターカフ(回旋筋腱板)の円滑な連動を可能にするための緊張・弛緩を誘導する技術が使われます。

技術は、それを知らなければ使えません。
それを意識して使い、常態化する。すなわち、有意識で練習・鍛錬し無意識でそれが生じる身体状態を作り出せばよいのです。

そのためには基本的な情報も知っておくべきです。
立甲に関する基本的事項等に関しても確認しておくとよいでしょう。

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